広告配信や掲載内容について
検索連動型広告は、広告主が設定する「中古車 買取り」や「クリスマス セール」といった検索キーワードと、
実際に検索されるキーワードとの関連性から、検索結果の画面に自動で配信されるようになっています。
また、設定したキーワードと実際に検索されるキーワードが“完全に一致する場合”に広告を配信したり、“
部分的に一致する場合”に広告を配信したりするなど、広告主は、配信に関する細かな設定を行うことも可能です。
このキーワードのマッチングの度合いは「マッチタイプ」と呼ばれ、広告の最適化を図る上で欠かせないポイントとなっています。
マッチタイプの種類とその特徴
マッチタイプ | 特徴(広告が表示されるケース) |
---|---|
完全一致 | 登録KWとユーザーの検索語句が完全一致する場合 |
部分一致 | 登録KWに関連性が高いと判断された検索語句の場合 |
フレーズ一致 | 登録KWを同じ語順のフレーズが含まれている場合 |
絞り込み部分一致 | 語順に関係なく「+」を付けたKWが含まれている場合 |
マッチタイプの種類と広告表示の例
マッチタイプ | 例 | |
---|---|---|
完全一致 | 「箱根 温泉」で登録した場合 | |
「箱根 温泉」「温泉 箱根」 | 広告が表示される | |
「温泉 箱根 おすすめ」 | 広告が表示さない | |
部分一致 | 同 | |
「箱根 温泉」「箱根 おすすめ 温泉」 | 広告が表示される | |
「箱根 露天風呂」「箱根 旅館」 | 広告が表示される | |
フレーズ一致 | 同 | |
「箱根 温泉 おすすめ」 | 広告が表示される | |
「箱根 旅館 温泉」「温泉 箱根 おすすめ」 | 広告が表示さない | |
絞り込み部分一致 | 「+箱根 +温泉」で登録した場合 | |
「箱根 温泉 おすすめ」 | 広告が表示される | |
「温泉 箱根 おすすめ」 | 広告が表示される |
広告の掲載内容は、基本的にテキストベースの「見出し」「URL」「説明文」の3要素で構成。
「広告表示オプション」は、見出しや説明文だけでは伝えきれない情報
(サブテキスト、HP内への直リンク、マップ、電話番号など)を表示することが可能な機能で、フレキシブルに見せ方を工夫することができます。
検索連動型広告の構成
広告料のシステム
検索連動型広告は「クリック課金型」の料金システムとなっているため、基本的にユーザーが広告をクリックしない限りは広告料がかかりません。
また、このクリック課金型は、Cost Per Click(コスト・パー・クリック)や
Pay Per Click(ペイ・パー・クリック)の頭文字を取って、CPC課金型やPPC課金型とも呼ばれます。
広告主が支払う広告料は、「(クリックされた回数)×(クリック単価)」が基本です。
このクリック単価は、自社や他社の「品質スコア」と「広告ランク」などによって決定される仕組みとなっています。
(※Googleでは「品質スコア」、Yahoo !では「品質インデックス」と呼称)
品質スコアは広告の品質を10段階で表した指標で、広告主が設定したキーワードと広告文の関連性などからGoogleが独自に算出。
一方、広告ランクは、広告主が設定する入札単価(1クリック当たりに支払う単価の上限額)と品質スコアを元にはじき出されます。
クリック単価や各指標の決定要素
単価や指標 | 決定要素 |
---|---|
クリック単価 | 自社広告の次位の広告ランク÷自社広告の品質スコア+1円 |
品質スコア | 「KWと広告文の関連性」×「推定クリック率」×「KWとLPの関連性」 |
広告ランク | 「入札単価」×「品質スコア」 |
掲載順位が決まる仕組み
(Google広告の場合)検索連動型広告の掲載順位は、自社と他社の広告ランクの大小によって自動的に決まります。
広告ランクは、広告主が設定する入札単価と品質スコアを元に算出されるため、
掲載順位を上げるには入札単価を上げるか品質スコアを改善させることが重要になってきます。
リスティング広告(検索連動型広告)のメリット・デメリット
出稿の目的によって多少異なりますが、
検索連動型広告のメリット・デメリットは以下のように大きく分けられます。
検索連動型広告のメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
1.顕在化したニーズにアプローチできる | 1.認知拡大(ブランディング)に不向き |
2.低予算で出稿でき、簡単に止められる | 2.運用に手間がかかる |
3.検索結果よりも上位に表示できる | 3.市場規模には限界がある |
メリット
1.最大のメリットは、ユーザーの顕在化したニーズに対してピンポイントに広告をアプローチできることです。
例えば、「都内 ワゴン 買取り」と検索する人には、”都内でワゴン車を売りたい”という願望が、
一方「原宿 インスタ映え カフェ」と検索する人には、
”インスタ映え写真が撮れる原宿のカフェが知りたい“という欲求があることをイメージできるのではないでしょうか。
検索キーワードはユーザーのニーズそのもの。
ニーズへダイレクトにリーチできるこの側面は、検索連動型広告の大きな強みと言うことができます。
2.入札単価の上限を細かく設定できるため、低予算から広告運用を始められる特徴があります。
また、リアルタイムで広告の配信状況を把握することができるので、予算に応じて配信を柔軟にストップすることが可能です。
3.広告枠が検索結果よりも上部に設置されているため、
SEO(検索エンジン最適化)対策が難しいキーワードであっても、コンテンツを上の位置に表示させることができます。
デメリット
1. ユーザーの顕在化したニーズに対して直接リーチできる利点は、
裏を返すと”限られたユーザーへのアプローチに限定される”という意味を持っています。
つまりニーズが顕在化したユーザーに対しては効果的だとしても、
認知の拡大(ブランディング)には適さないということになります。
2. 運用型広告である検索連動型広告は、
文字通り広告を配信して終わりではなく、運用しながら改善する事で効果が発揮できる広告です。
実際、運用するにあたって、
クリック率の把握やキーワード選定、入札単価の修正など、細かな作業が必要になります。正にデメリットと言えるでしょう。
3.検索数には限りがあるため、たとえ成果が出たとしても、
そのキーワードの検索数を上回る数のユーザーへアプローチすることが不可能です。
例えば、1カ月に100回検索されているキーワードに対しては、
100回を超える広告のアプローチができないということになってしまいます。
リスティング広告(検索連動型広告)のアカウント取得~配信まで
ここでは、Google広告のプラットフォームを用いて、
検索連動型広告を出稿するまでの流れを簡潔に説明します。
尚Google広告では、アカウントの作成から広告文の作成までテキストのガイドがついており、
指示に従うだけでスムーズに広告を始めることができるようになっています。
検索連動型広告の配信ステップ
ステップ | 作業内容 |
---|---|
1.アカウントの取得 | ウェブサイトやE-mail、カード情報など必要事項の登録 |
2.広告の作成 | キャンペーンの作成 |
広告グループの作成 | |
キーワードの選定 | |
広告文の作成 | |
3.配信~運用 | 予算や配信ターゲットなどの調整 |
アカウントの取得
まずは、Google広告のアカウント取得です。登録にかかる時間は10~20分。
登録に必要な情報は、Googleアカウントに登録しているメールアドレスや
配信を行うウェブサイトのURL、名前、住所、電話番号、クレジットカード(銀行口座)です。
キャンペーンの設定は後からでも変更が可能なので、
「予算:1000円、キーワード:自社の商品あるいはサービス名、テキスト広告:テスト」などと、仮に設定しておきましょう。
一方、請求先の住所やタイムゾーンは変更が不可のため慎重に入力して下さい。
広告の作成
Google広告(検索連動型広告)のアカウントは基本的に下図のような構成になっています。
キャンペーンには複数の広告グループがひも付いており、さらに広告グループ内で複数の「キーワード・広告文」を設定することが可能です。
アカウントの項目と設定内容
アカウントの項目 | 設定できる内容 |
---|---|
アカウント | 出稿状況、予算管理、料金の支払いなど |
キャンペーン | 各キャンペーンの予算、配信地域、日時、言語、デバイスなど |
広告グループ | キーワード・広告・入札単価を1グループ単位で設定が可能 |
広告文 | 表示URL、広告見出し、広告見出し2、説明文1など |
キーワード | 広告を表示させたい各キーワード、マッチタイプ、入札価格など |
配信~運用
キーワードや入札単価、広告文などをプラットフォームに登録すると、
Google広告から「審査中」の文字が表示され、審査が完了すると配信がすぐに始まります。
審査時間は短く、また審査自体はキャンペーン内の広告全てにかかるものではありません。
運用をするにあたって、マーケターはさまざまな設定項目を微調整しながら広告を最適化することになります。
現在のGoogle広告では、広告運用の最適化を自動で行ってくれるシステム実装されており、簡単に運用ができる仕組みも整っています。
最後に
リスティング広告(検索連動型広告)の効果を上げるには、
その他さまざまな知識やスキルが必要になってきます。特に配信状況のモニタリングを通して、
入札額やキーワード、広告文などを改善するリスティング広告は、試行錯誤が重要です。